神様修行はじめます! 其の五
あの巨体にあの高さから激突されたら、間違いなく死ぬ。
でもとっさのことで体がぜんぜん動いてくれない。
真上からコンマ何秒の速さで猛然と迫り来る龍の姿を、ポカンと見上げるあたしの頭の中は真っ白だった。
これまでの人生を走馬灯のように回想する時間すらない。
「うがあぁぁぁ――――!」
横から飛び出してきたしま子が、マネキン人形みたいに突っ立っているあたしの身体を抱きかかえて、ガバッと地面に伏せる。
閉じる余裕もない両目が、龍に体当たりして頭突きを食らわす巨大マクシミリアンの勇姿を映した。
「マクシミリアン!?」
吹っ飛んだ龍を目がけて、マクシミリアンが亀とは思えぬ敏捷さで突進して噛みついた。
「マクシミリアンちゃん頑張って! 絶対に放してはだめよ!」
お岩さんの指示通りスッポンみたいに噛みついたマクシミリアンの牙が、鎧みたいな龍のウロコをベキベキと噛み砕いていく。
「頑張れ! そのままどんどん噛み千切って輪切りにしちゃえ!」
しま子に抱きかかえられて戦いの場から避難しながら、あたしも大声で声援を送った。
でも龍も負けてはいない。長い尾をマクシミリアンの体に巻き付けてギリギリと締め上げ始めた。
龍の渾身の力で締められて、さしもの頑強な亀の甲羅がギシギシと軋み始める。
今にも割れてしまいそうな恐ろしい音がここまで聞こえてきて、あたしとお岩さんは顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「頑張れマクシミリアン! お願いだから負けないで!」
でもとっさのことで体がぜんぜん動いてくれない。
真上からコンマ何秒の速さで猛然と迫り来る龍の姿を、ポカンと見上げるあたしの頭の中は真っ白だった。
これまでの人生を走馬灯のように回想する時間すらない。
「うがあぁぁぁ――――!」
横から飛び出してきたしま子が、マネキン人形みたいに突っ立っているあたしの身体を抱きかかえて、ガバッと地面に伏せる。
閉じる余裕もない両目が、龍に体当たりして頭突きを食らわす巨大マクシミリアンの勇姿を映した。
「マクシミリアン!?」
吹っ飛んだ龍を目がけて、マクシミリアンが亀とは思えぬ敏捷さで突進して噛みついた。
「マクシミリアンちゃん頑張って! 絶対に放してはだめよ!」
お岩さんの指示通りスッポンみたいに噛みついたマクシミリアンの牙が、鎧みたいな龍のウロコをベキベキと噛み砕いていく。
「頑張れ! そのままどんどん噛み千切って輪切りにしちゃえ!」
しま子に抱きかかえられて戦いの場から避難しながら、あたしも大声で声援を送った。
でも龍も負けてはいない。長い尾をマクシミリアンの体に巻き付けてギリギリと締め上げ始めた。
龍の渾身の力で締められて、さしもの頑強な亀の甲羅がギシギシと軋み始める。
今にも割れてしまいそうな恐ろしい音がここまで聞こえてきて、あたしとお岩さんは顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「頑張れマクシミリアン! お願いだから負けないで!」