神様修行はじめます! 其の五
「あぁ、そんな! マクシミリアンちゃんー!」
両手で顔を覆ったお岩さんが、膝からガックリと崩れ落ちながらすすり泣いた。
「共に力の源を失い、姿をとどめ続けることができなくなったようじゃな」
「マクシミリアンちゃん。マクシミリアンちゃんが……」
「岩よ、仕方あるまい。しょせん、この世にあってはならぬ存在じゃ。こうして眠らせてやれたことは救いであったのじゃよ」
嘆き悲しむお岩さんを、絹糸が慰める。
本当なら千年以上も昔に滅んでしまっている種族が、勝手に現世に呼び戻されてこの先を生き続けたとして、それが果たして幸せかどうか……。
実際に千年生き続けている絹糸の言葉を、あたしたちは受け止めるしかない。
靄の消えた夜空を見上げて、あたしはマクシミリアンに心の中で呼びかけた。
ごめんね、マクシミリアン。
せっかく静かに眠っていたのに強引に呼び戻して、望んでもいなかった戦いに巻き込んでしまって、ごめんね。
守ってくれて、ありがとう。ごめんね。ごめんねマクシミリアン。
―― ズシィィ――ン……!
いきなり地面が振動して、あたしたちはハッと振り返った。
セバスチャンさんの蔦に押さえつけられていた龍が、地面の上で全身を蠢かせながら大暴れしている。
いつの間に引き千切ったものか、頑丈に編まれた鎖状の蔦のほとんどがもう用をなさなくなっていた。
「申し訳ございません。わたくしめの術も限界のようでございます」
セバスチャンさんが小さく舌打ちをした。
一匹片付けたばかりだってのに、今度はこっちか!
両手で顔を覆ったお岩さんが、膝からガックリと崩れ落ちながらすすり泣いた。
「共に力の源を失い、姿をとどめ続けることができなくなったようじゃな」
「マクシミリアンちゃん。マクシミリアンちゃんが……」
「岩よ、仕方あるまい。しょせん、この世にあってはならぬ存在じゃ。こうして眠らせてやれたことは救いであったのじゃよ」
嘆き悲しむお岩さんを、絹糸が慰める。
本当なら千年以上も昔に滅んでしまっている種族が、勝手に現世に呼び戻されてこの先を生き続けたとして、それが果たして幸せかどうか……。
実際に千年生き続けている絹糸の言葉を、あたしたちは受け止めるしかない。
靄の消えた夜空を見上げて、あたしはマクシミリアンに心の中で呼びかけた。
ごめんね、マクシミリアン。
せっかく静かに眠っていたのに強引に呼び戻して、望んでもいなかった戦いに巻き込んでしまって、ごめんね。
守ってくれて、ありがとう。ごめんね。ごめんねマクシミリアン。
―― ズシィィ――ン……!
いきなり地面が振動して、あたしたちはハッと振り返った。
セバスチャンさんの蔦に押さえつけられていた龍が、地面の上で全身を蠢かせながら大暴れしている。
いつの間に引き千切ったものか、頑丈に編まれた鎖状の蔦のほとんどがもう用をなさなくなっていた。
「申し訳ございません。わたくしめの術も限界のようでございます」
セバスチャンさんが小さく舌打ちをした。
一匹片付けたばかりだってのに、今度はこっちか!