神様修行はじめます! 其の五
―― ブチィィ……!
地面ごと蔦を引き千切って、ついに龍は自由の身となった。
ひときわ爛々と月光の輝きを放つその目を見た瞬間、なぜかお尻の辺りにゾクゾクッと寒気を感じた。
これって、未知の領分を感知する器官が危険を察知して警告してるんじゃ? ……と思った途端に、暗闇の山中が強烈な光で覆われた。
「この光は!?」
「足元でおじゃる! 地面が光っているでおじゃるよ!」
見れば、たしかに地面全体が煌々と光っている。
まるで土の下に埋め込まれた超特大サイズの照明器具が、MAX状態でフル稼働し始めたみたいだ。
なにが起こっているのか、わけが分からない。いや、明るくなってありがたいけど。
「うぬぅ! ここじゃったか!」
やたらと慌てた声を出す絹糸に、みんなの視線が集中する。
「ここって、なにが?」
「『道』じゃ!」
「え?」
「ここが異形の通る『道』だったのじゃ!」
「…………」
みんなが一瞬、キョトンとした顔で沈黙した。
でもすぐにそれぞれの顔からみるみる血の気が引いていく。
ええぇぇ!? ここ!? ここがそうなのぉ!?
「あたしたちが立ってる、ここ!? ここが道なの!?」
「うむ、今思い出したわい!」
「絹糸のバカー! そういう大事なことはもっと前に思い出してよ!」
「ついでに思い出したが、道の場所は、ここひとつではない!」
「…………」
はぃぃー!? なんですと――――!?
「道は、他にも無数にあるんじゃよ! そのひとつひとつを正確に覚えてなどおらぬし、我が知らぬ道もあるはずじゃ!」
嘘ぉ!? 聞きたくなかったその事実! どうしよう!
地面ごと蔦を引き千切って、ついに龍は自由の身となった。
ひときわ爛々と月光の輝きを放つその目を見た瞬間、なぜかお尻の辺りにゾクゾクッと寒気を感じた。
これって、未知の領分を感知する器官が危険を察知して警告してるんじゃ? ……と思った途端に、暗闇の山中が強烈な光で覆われた。
「この光は!?」
「足元でおじゃる! 地面が光っているでおじゃるよ!」
見れば、たしかに地面全体が煌々と光っている。
まるで土の下に埋め込まれた超特大サイズの照明器具が、MAX状態でフル稼働し始めたみたいだ。
なにが起こっているのか、わけが分からない。いや、明るくなってありがたいけど。
「うぬぅ! ここじゃったか!」
やたらと慌てた声を出す絹糸に、みんなの視線が集中する。
「ここって、なにが?」
「『道』じゃ!」
「え?」
「ここが異形の通る『道』だったのじゃ!」
「…………」
みんなが一瞬、キョトンとした顔で沈黙した。
でもすぐにそれぞれの顔からみるみる血の気が引いていく。
ええぇぇ!? ここ!? ここがそうなのぉ!?
「あたしたちが立ってる、ここ!? ここが道なの!?」
「うむ、今思い出したわい!」
「絹糸のバカー! そういう大事なことはもっと前に思い出してよ!」
「ついでに思い出したが、道の場所は、ここひとつではない!」
「…………」
はぃぃー!? なんですと――――!?
「道は、他にも無数にあるんじゃよ! そのひとつひとつを正確に覚えてなどおらぬし、我が知らぬ道もあるはずじゃ!」
嘘ぉ!? 聞きたくなかったその事実! どうしよう!