神様修行はじめます! 其の五
 それ、自分で一番よく分かってる。それなのに……。


 あたしやっぱり、門川君を好きな気持ち、いまさら止められない。


 ずっと彼の隣にいて、永遠に彼の愛を受け続けたいと願う想いを、届かぬ月に請うてしまう。


 どうしても、どうしてもどうしても、『門川君と共にいたい』という気持ちだけは諦められない……。


「天内君」

「…………」

「泣いているのかい?」


 ポタポタと涙が頬を流れ落ちていく。


 ベソベソ泣いてる自分が情けなくて、腹が立つから泣きたくないのに、涙がどうしても止まらない。


「天内君、こんな無力なくせにキミを手放さない僕を、どうか許してくれ。僕は、『キミと共に生きる』という願いだけは、どうしても諦められないんだ」


 一瞬、自分の心の声を代弁されたのかと思った。
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