神様修行はじめます! 其の五
 そうだった。思い出した。


 決戦の前でナーバスになってた門川君を少しでも励ましたくて、そんなこと言ったっけ。


 だってあのときは本当にそう思っていたから。


 まだあちら側の世界の過酷さを、理解しきれてなかった頃だから。


 いま思えば、本当にお気楽トンボだった。偉そうに語ってた自分が恥ずかしい。


 できることなら過去に戻って、『なにも知らないくせに!』って怒鳴りながら、自分の後頭部をコブができるほどブン殴ってやりたいくらい。
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