神様修行はじめます! 其の五
思いがけない彼の本音を聞いて、あたしの心はようやく満たされる。
なんてイジワルなあたし。なんてちっぽけなあたし。
見知らぬ誰かの影に嫉妬してくれる彼の心を、こんなに喜んでいるなんて。
ごめんね……。でも、あたしも、いつも迷子みたいに不安でたまらないの。
初めての恋だから、まるで目隠しされてるみたいに行く先が分からなくて。
何度満たされても、見失うようにすぐにカラッポになっちゃう。
だから不安で不安で、あなたの心に向かって、いつも必死に手を伸ばしているんだよ。
『好き』の想いを捧げるように、ずっと差し伸べ続けているんだよ……。
気付けば、閉じた目蓋のまつ毛がじんわり、涙で濡れていた。
唇を重ねる喜びと、想いの通じ合う幸せと、じきに離ればなれになってしまう悲しみとが、心の中で渦を巻く。
どうしようもなくて、あたしは泣いていた。
お互いの心の寂しさを知るあたしたちは、せめてキスをして、手を重ね合うんだ。
それでも、すべての影が消え去ってしまうことはないけれど……。
自分の想いを、相手に伝えきることのできないもどかしさをなだめるように、あたしたちは何度も何度もキスをする。
ねえ門川君、待ってるからね。
ちゃんと待ってるから、ちゃんと無事に帰ってきてね。
そしてまた、こうしてあたしにキスをしてね。
ちゃんと約束してね、門川君…………。
なんてイジワルなあたし。なんてちっぽけなあたし。
見知らぬ誰かの影に嫉妬してくれる彼の心を、こんなに喜んでいるなんて。
ごめんね……。でも、あたしも、いつも迷子みたいに不安でたまらないの。
初めての恋だから、まるで目隠しされてるみたいに行く先が分からなくて。
何度満たされても、見失うようにすぐにカラッポになっちゃう。
だから不安で不安で、あなたの心に向かって、いつも必死に手を伸ばしているんだよ。
『好き』の想いを捧げるように、ずっと差し伸べ続けているんだよ……。
気付けば、閉じた目蓋のまつ毛がじんわり、涙で濡れていた。
唇を重ねる喜びと、想いの通じ合う幸せと、じきに離ればなれになってしまう悲しみとが、心の中で渦を巻く。
どうしようもなくて、あたしは泣いていた。
お互いの心の寂しさを知るあたしたちは、せめてキスをして、手を重ね合うんだ。
それでも、すべての影が消え去ってしまうことはないけれど……。
自分の想いを、相手に伝えきることのできないもどかしさをなだめるように、あたしたちは何度も何度もキスをする。
ねえ門川君、待ってるからね。
ちゃんと待ってるから、ちゃんと無事に帰ってきてね。
そしてまた、こうしてあたしにキスをしてね。
ちゃんと約束してね、門川君…………。