神様修行はじめます! 其の五
「そもそも、どうやって行ったのよ!? 絹糸はともかく、異界って所はまともな人間が行けるような場所じゃないじゃん!」
いや、門川君がマトモな人間だなんて少しも思ってないけど!
それでもさすがに、ここまでマトモじゃないとは思わなかったよ!
どんだけ新たな発見させてくれんの! この人は!
「小浮気殿だよ」
「クレーターさん!? なんでここにクレーターさんが出てくんの!?」
「彼と水園殿が島へ流される日、見送りに行った僕に彼は大量の宝物を密かに手渡しながら言ったんだ。『これで滅火の娘に、赤鬼を取り戻してやってほしい』と」
「……!」
クレーターさんが、そんなことを?
そんなの全然知らなかった……。だってクレーターさん、あの時なんにも言ってなかったから。
「異界で何度も死にかけた僕たちが、こうして生きて帰ってこられたのは小浮気殿のおかげだ」
「小娘よ、小浮気からお前に伝言を預かっておるぞ」
「で、伝言? どんな?」
「『どうだ驚いたか、恐れ入ったか。これでお前は死ぬまで私に頭が上がらんぞ』」
「…………」
「そう言って笑いながら海を渡っていきおったわい。あの男は」
クレーターさん……。
クレーターさんが門川君に渡した宝物が、どれほど貴重な物なのかぐらい、あたしにも想像がつく。
それは大勢の小浮気一族の人たちが、自分たちの命と引き換えに生み出した物。
もしかしたら、水晶さんの命を代償にした物も含まれているかもしれない。
クレーターさんはそんな貴重な宝物を、あたしとしま子のために使うことを認めてくれたの?
いや、門川君がマトモな人間だなんて少しも思ってないけど!
それでもさすがに、ここまでマトモじゃないとは思わなかったよ!
どんだけ新たな発見させてくれんの! この人は!
「小浮気殿だよ」
「クレーターさん!? なんでここにクレーターさんが出てくんの!?」
「彼と水園殿が島へ流される日、見送りに行った僕に彼は大量の宝物を密かに手渡しながら言ったんだ。『これで滅火の娘に、赤鬼を取り戻してやってほしい』と」
「……!」
クレーターさんが、そんなことを?
そんなの全然知らなかった……。だってクレーターさん、あの時なんにも言ってなかったから。
「異界で何度も死にかけた僕たちが、こうして生きて帰ってこられたのは小浮気殿のおかげだ」
「小娘よ、小浮気からお前に伝言を預かっておるぞ」
「で、伝言? どんな?」
「『どうだ驚いたか、恐れ入ったか。これでお前は死ぬまで私に頭が上がらんぞ』」
「…………」
「そう言って笑いながら海を渡っていきおったわい。あの男は」
クレーターさん……。
クレーターさんが門川君に渡した宝物が、どれほど貴重な物なのかぐらい、あたしにも想像がつく。
それは大勢の小浮気一族の人たちが、自分たちの命と引き換えに生み出した物。
もしかしたら、水晶さんの命を代償にした物も含まれているかもしれない。
クレーターさんはそんな貴重な宝物を、あたしとしま子のために使うことを認めてくれたの?