神様修行はじめます! 其の五
「ありがとう。門川君」
あたしは彼の手から花を受け取った。
そして、しま子へ向かって歩き出す。
「グウゥゥ……」
呪縛陣の中のしま子は魔獣のような唸り声を上げながら、強烈な殺意の視線を送ってくる。
あたしは術陣のギリギリまで近寄り、立ち止まった。
「しま子」
呼ぶ声が震える。
「しま子。しま子」
呼ぶたびに心が昂ぶり、ギューッと苦しくなって、たまらず涙が溢れてくる。
胸の中も、体の芯も、目の奥も鼻の頭も、全部が燃えるように熱くてたまらない。
グッチャグチャの泣き顔をさらして、あたしはしま子へ花を差し出した。
目の前のこの赤鬼は、たしかにしま子。
あたしの可愛いしま子。
だから、ほら、どうか受け取って。
あたしの思いを、門川君の心を。
「大好きだよ。しま……」
「グギャオォォ――――ッ!!」
怒声を張り上げながら、しま子が鬼の爪を素早く振りかざした。
とっさに身を躱したあたしは、ドスンと床に尻もちをついてしまう。
あたしの手から離れた花が、術陣の中にふわりと舞い落ちた。
「ギャオォウ! ギャアァァ――!」
猛り狂ったしま子が、床を踏み抜かんばかりの勢いで花を踏み潰している。
ドスドスという乱暴な音と共に、花は無残に散ってしまった。
あたしは彼の手から花を受け取った。
そして、しま子へ向かって歩き出す。
「グウゥゥ……」
呪縛陣の中のしま子は魔獣のような唸り声を上げながら、強烈な殺意の視線を送ってくる。
あたしは術陣のギリギリまで近寄り、立ち止まった。
「しま子」
呼ぶ声が震える。
「しま子。しま子」
呼ぶたびに心が昂ぶり、ギューッと苦しくなって、たまらず涙が溢れてくる。
胸の中も、体の芯も、目の奥も鼻の頭も、全部が燃えるように熱くてたまらない。
グッチャグチャの泣き顔をさらして、あたしはしま子へ花を差し出した。
目の前のこの赤鬼は、たしかにしま子。
あたしの可愛いしま子。
だから、ほら、どうか受け取って。
あたしの思いを、門川君の心を。
「大好きだよ。しま……」
「グギャオォォ――――ッ!!」
怒声を張り上げながら、しま子が鬼の爪を素早く振りかざした。
とっさに身を躱したあたしは、ドスンと床に尻もちをついてしまう。
あたしの手から離れた花が、術陣の中にふわりと舞い落ちた。
「ギャオォウ! ギャアァァ――!」
猛り狂ったしま子が、床を踏み抜かんばかりの勢いで花を踏み潰している。
ドスドスという乱暴な音と共に、花は無残に散ってしまった。