神様修行はじめます! 其の五
「ちょうど一年じゃのぅ」
絹糸が、しみじみとした声で言った。
「永久が当主に就任して、一年じゃ。あの日ここにいる我ら全員で、いつまでも共に歩んでいこうと誓ったのぅ」
一年前。神の一族として生きていくと決めた、あの頃。
あたしは、ずっとずっと大切な人たちと一緒にいられると信じていた。
まさかこんな未来が待ち構えているなんて、知る由もなかった。
でも時は移ろい、月は空を渡り、人は流れの中を歩むもの。
願った場所に留まり続けることは叶わず、いつの間にか変わり果ててしまった世界に、茫然と立ちすくむ。
それでも……
「誓った通りだね」
あたしは、ふたりに笑いかけた。
ここにいるよ。
門川君も、絹糸も、しま子も、あたしも。
お岩さんも、セバスチャンさんも、凍雨くんも、塔子さんも、マロさんも。
お父さんも、お母さんも、真美も。
一番大切なものたちは何も変わらずここに……この胸にある。
時は目まぐるしく移り変わり、人々の願いは叶わない。
でも水底の水晶の光は今、心から愛した人を包み込んで、これからも永遠に輝き続ける。
永劫の時に苦しみ続けた絹糸は、その長い時間の果てに、きっと再び愛する者と巡り会うだろう。
あたしと共にいることを望み続けたしま子は、今もこうして、ここにいる。
だからあたしは、これからも願い続ける。
変わったもの。変わらないもの。
諦めきれないもの。譲れないもの。
この心に宿るありのままの真実から目を逸らさずに、祈り続け、信じる場所へと歩み続ける。
それがどんなに苦しく、悲しい道であったとしても。
絹糸が、しみじみとした声で言った。
「永久が当主に就任して、一年じゃ。あの日ここにいる我ら全員で、いつまでも共に歩んでいこうと誓ったのぅ」
一年前。神の一族として生きていくと決めた、あの頃。
あたしは、ずっとずっと大切な人たちと一緒にいられると信じていた。
まさかこんな未来が待ち構えているなんて、知る由もなかった。
でも時は移ろい、月は空を渡り、人は流れの中を歩むもの。
願った場所に留まり続けることは叶わず、いつの間にか変わり果ててしまった世界に、茫然と立ちすくむ。
それでも……
「誓った通りだね」
あたしは、ふたりに笑いかけた。
ここにいるよ。
門川君も、絹糸も、しま子も、あたしも。
お岩さんも、セバスチャンさんも、凍雨くんも、塔子さんも、マロさんも。
お父さんも、お母さんも、真美も。
一番大切なものたちは何も変わらずここに……この胸にある。
時は目まぐるしく移り変わり、人々の願いは叶わない。
でも水底の水晶の光は今、心から愛した人を包み込んで、これからも永遠に輝き続ける。
永劫の時に苦しみ続けた絹糸は、その長い時間の果てに、きっと再び愛する者と巡り会うだろう。
あたしと共にいることを望み続けたしま子は、今もこうして、ここにいる。
だからあたしは、これからも願い続ける。
変わったもの。変わらないもの。
諦めきれないもの。譲れないもの。
この心に宿るありのままの真実から目を逸らさずに、祈り続け、信じる場所へと歩み続ける。
それがどんなに苦しく、悲しい道であったとしても。