神様修行はじめます! 其の五
「うわあああぁぁぁ!?」


 いきなり自分の背後に出現した、巨大重機クラスのデラックスなミミズを見て、オヤっさんは腰を抜かした。


「うわあー!? うわあー!? なんだこの化け物はー!?」


 顔面蒼白になって、もう、なりふり構わず絶叫している。


「あんたがこの化け物を操っているのか!? な、なんて女なんだ!」


「失敬な! このジュリエッタちゃんのどこが化け物だとおっしゃるんですの!?」


「どこもかしこもだよ!」


「こんな可愛らしい生き物を化け物呼ばわりするなんて、あぁ、その凡人的な感性が理解できませんわ!」


「むしろあんたがまったく理解不能だ!」


「……わかりましたわ。どうしてもジュリエッタちゃんを理解できないとあらば、特別に……」


「……?」


「ピエールちゃんとフランソワちゃんとジョセフちゃんも呼んで、ここに全員集合させましょう!」


「いったい何匹ミミズ飼ってるんだあんたー!」


「ピエールちゃあぁ~~……!」


「うわあぁぁ! やめてくれーーー!」


 断末魔みたいな絶叫を上げて、オヤっさんは四つん這いになりながら無様に逃げだした。


 勝者、お岩さん&ジュリエッタ!


 勝利に歓喜しているらしきジュリエッタが、ヌメヌメした体を左右にくねらせて、天を仰いで打ち震えている。


 その様子を見上げるお岩さんも、いたくご満悦だ。


「アマンダ、ご覧になって! あなたを守ったジュリエッタちゃんの勇姿を!」


「……あ、ありがとうね、ジュリエッタ」


「ジュリエッタちゃんが、『いいえ、お礼には及びません。私とあなたは友なのですから』と言ってますわ!」


「ど、どうも……」
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