神様修行はじめます! 其の五
「や、やめてくれ! ……頼むから!」


「ならば言うがよい。永久の身になにが起こった?」


「け、決して当主様の身に、危険が及んでいるわけではない!」


「それホントなの!? 適当にウソ言ってんじゃないでしょうね!?」


「本当に、本当なのだ! だからどうか信じてくれぇ!」


 必死の涙声に、嘘の気配はない。


 セバスチャンさんが、襟を締め上げている手を緩めて男を床に下ろし、凍雨君が術を解除する。


 あたしも門川君が危険なわけじゃないと知って、ちょっとだけホッとした。


 けど、だからって無罪放免するわけにはいかないからね!


「それだけじゃ、なにもわかんない。詳しい事情を教えて」


「…………」


 話が核心に近づいたとたんに、またこうして黙り込んでしまう。


 うえぇい、イライラするぅー! お前ら鼻水啜ってるヒマがあるなら、スパッと男らしく言わんかい!
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