神様修行はじめます! 其の五
「すぐに捜索隊を出さなきゃ! 異形のモノにさらわれたのかもしれない!」
あたしはパニック状態になって髪の毛を掻き毟りながら、オタオタとその場で足踏みをした。
とっさのことに、いま自分が一番になにをすべきか、どう行動するべきかが、ぜんぜんわからない!
あぁ、門川君どうか無事でいて! いますぐあたしが助けに行くから!
「いや、その心配はないはずなのだ」
極限状態のあたしとは対照的に、小浮気の人たちは妙に冷静で、それが見ていてムチャクチャ腹立つ。
ちょっとアンタら、もっと盛大に慌てなさいよ! この非常時に!
「これってレベル5の緊急事態だよ!? 現実逃避してる場合じゃないでしょ!?」
「当主様の御身に、危険はないはずなのだ。そんな心配をする必要はないと、水園様からの連絡が届いたのだから」
「……はい?」
髪を掻き毟る手をピタリと止め、あたしはカクッと首を傾げた?
水園さんから連絡が届いたの? 異形にさらわれて行方不明の水園さんから??
……って、まさかそれ、さらった犯人からの身代金の要求じゃないでしょうね!?
「いくら!? 金額いくら! 払えそうな額!? 受け渡し場所はどこ!?」
「小娘、いいからおぬしはちょっと落ち着けぃ」
「天内のお嬢様、大きく深呼吸をしてみましょう」
「いったいなんて連絡してきたの!?」
裏返った声を張り上げるあたしの目の前に、小さな手鏡がズィッと差し出されて、反射的に覗き込んでしまう。
鏡の表面を見て、あたしは声を張り上げるのも忘れて思わず見入ってしまった。
そこに映っているのは、あたしの姿じゃなかった。
小さな鏡の中には、女のあたしですら意識が引き込まれるほどに美しい、見たことのない女性が映っていた。
あたしはパニック状態になって髪の毛を掻き毟りながら、オタオタとその場で足踏みをした。
とっさのことに、いま自分が一番になにをすべきか、どう行動するべきかが、ぜんぜんわからない!
あぁ、門川君どうか無事でいて! いますぐあたしが助けに行くから!
「いや、その心配はないはずなのだ」
極限状態のあたしとは対照的に、小浮気の人たちは妙に冷静で、それが見ていてムチャクチャ腹立つ。
ちょっとアンタら、もっと盛大に慌てなさいよ! この非常時に!
「これってレベル5の緊急事態だよ!? 現実逃避してる場合じゃないでしょ!?」
「当主様の御身に、危険はないはずなのだ。そんな心配をする必要はないと、水園様からの連絡が届いたのだから」
「……はい?」
髪を掻き毟る手をピタリと止め、あたしはカクッと首を傾げた?
水園さんから連絡が届いたの? 異形にさらわれて行方不明の水園さんから??
……って、まさかそれ、さらった犯人からの身代金の要求じゃないでしょうね!?
「いくら!? 金額いくら! 払えそうな額!? 受け渡し場所はどこ!?」
「小娘、いいからおぬしはちょっと落ち着けぃ」
「天内のお嬢様、大きく深呼吸をしてみましょう」
「いったいなんて連絡してきたの!?」
裏返った声を張り上げるあたしの目の前に、小さな手鏡がズィッと差し出されて、反射的に覗き込んでしまう。
鏡の表面を見て、あたしは声を張り上げるのも忘れて思わず見入ってしまった。
そこに映っているのは、あたしの姿じゃなかった。
小さな鏡の中には、女のあたしですら意識が引き込まれるほどに美しい、見たことのない女性が映っていた。