神様修行はじめます! 其の五
『なによりも先ず、謝罪させてください』
……わ!? 鏡の中の水園さんが話しかけてきた!
ビックリしたあたしは、思わず手鏡を落っことしそうになってしまって、アワアワした。
落とすまいと空中にポーンと放り上げ、焼きたての焼きイモを触ったときみたいに、手の上でポンポン跳ね上げてしまう。
「わ! わ!? うわわ!?」
「こりゃ小娘! もっと慎重に扱えぃ!」
『ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ですが私と永久様はお互い合意の意思で、姿を隠したのです。どうかこのまま、探さないで……』
―― パリーーーン!
まだ話の途中なのに、あたしは鏡をキャッチし損なって、地面に落としてしまった。
手鏡は驚くほど簡単にヒビ割れて、水園さんの姿がスーッと掻き消えてしまう。
「わー!? 戻ってきて水園さん! カンバーック!」
慌てて拾い上げた手鏡に向かって、あたしはブンブン頭を下げて謝罪した。
「鏡に謝ったところで、水園は戻ってこんわい」
「あ、やっぱり怒っちゃったかな? 痛かったのかな?」
「そうではない。さっきの水園は、鏡を依り代にして一時的に自分の姿を記憶させたものじゃよ」
「鏡に記憶? 動画の再生みたいな術なの?」
「ふむ、どうやら手持ちの品を使った急場しのぎの術で、不安定じゃったようじゃな」
絹糸の鼻が、ピクピクと鏡の匂いを嗅ぎ取っている。
「すっかり術の気配が消えてしまったな。これでは手がかりも一緒に消滅じゃ。やれやれ、鈍くさいヤツじゃのぅ」
「だ、だってえぇぇぇ」
……わ!? 鏡の中の水園さんが話しかけてきた!
ビックリしたあたしは、思わず手鏡を落っことしそうになってしまって、アワアワした。
落とすまいと空中にポーンと放り上げ、焼きたての焼きイモを触ったときみたいに、手の上でポンポン跳ね上げてしまう。
「わ! わ!? うわわ!?」
「こりゃ小娘! もっと慎重に扱えぃ!」
『ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ですが私と永久様はお互い合意の意思で、姿を隠したのです。どうかこのまま、探さないで……』
―― パリーーーン!
まだ話の途中なのに、あたしは鏡をキャッチし損なって、地面に落としてしまった。
手鏡は驚くほど簡単にヒビ割れて、水園さんの姿がスーッと掻き消えてしまう。
「わー!? 戻ってきて水園さん! カンバーック!」
慌てて拾い上げた手鏡に向かって、あたしはブンブン頭を下げて謝罪した。
「鏡に謝ったところで、水園は戻ってこんわい」
「あ、やっぱり怒っちゃったかな? 痛かったのかな?」
「そうではない。さっきの水園は、鏡を依り代にして一時的に自分の姿を記憶させたものじゃよ」
「鏡に記憶? 動画の再生みたいな術なの?」
「ふむ、どうやら手持ちの品を使った急場しのぎの術で、不安定じゃったようじゃな」
絹糸の鼻が、ピクピクと鏡の匂いを嗅ぎ取っている。
「すっかり術の気配が消えてしまったな。これでは手がかりも一緒に消滅じゃ。やれやれ、鈍くさいヤツじゃのぅ」
「だ、だってえぇぇぇ」