doctor × nurse


「すいません、夏山さん。
また、迷惑かけちゃって。」

「全然大丈夫ですよ。
……蒼君、先生達に言うことは?」



少し俯いたまま、
あたしの手をぎゅっと握り



「……ごめんなさい。」



と、小さな声で言った。
あまりにも可愛かった。



「あ、蒼君ここにいたんだ。また、夏山さん迷惑かけちゃったね。悪かったね。」

「…いえ、大丈夫です。」

「蒼君、ダメだろ〜?こんな夜中に外科病棟に行ったら。みんな寝てるよ?」



狭間先生は今日当直だったんだ。
それに、狭間先生は優しい人だな。



「蒼君、一緒に病室戻ろっか?」



他の看護師さんが蒼君に手を差し出す。
でも、蒼君はあたしの手を離さない。


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