でもそれはあまりにも不器用で、


あっという間にすかすかになった電車の中で
ドアの前、2人で向かい合って立てった。



面と向かいあうのは、いつぶりだろう。





「…相澤は、次で降りるんだっけ」

「あ、うん。そうだよ。」



そっか。と目を伏せて笑うのは杉浦のくせだとおもう。

何か言いたそうにする時は、
大体、目を伏せて笑う。


多分、本人は気づいてないけどね。



だから、私は決まって聞き返す。



「どうしたの?」


杉浦は表裏がないっていうか、
思ったことが顔に出るタイプ。

多分、言いたいことがあったけど
ヤッパリ言えなくて、でも言いたいけど
どうやって言い出せばいいかわかんなかった、みたいな?


…すごく分かりやすい







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