でもそれはあまりにも不器用で、



「久しぶり。」




私じゃないだろうと思いつつ
ゆっくり顔を上げたら

やっぱり私だったみたい。




杉浦 涼真。




私の、初恋の人。





「あ、うん。久しぶりだね」



気をつけてはいたものの、
やっぱり最寄駅が同じっていうのは厄介

電車登校5日目にして
はやくもばったり会ってしまう事件。




「相澤は、どこ高?」

「私は 西高校。…杉浦は?」


馬鹿野郎自分。
聞き返したら会話が続いちゃうじゃねえか。


「俺は 星陵高校だよ」


にっこりと微笑む杉浦の
この笑顔が好きだった。

裏表のないこの笑顔。



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