でもそれはあまりにも不器用で、






「あっ!戻ってきた!美和ちゃん!と健」


そう言って三年生らしき人が近寄ってきた
この人がキャプテンの有野さんな。と、健がこっそり教えてくれた


「何すか有野さん。俺は後付けっすか?」

「あったりめえだろ?俺らの大事なマネージャーが優先だ!」


そう言って馴れ馴れしく私の肩に腕を回した

なんだこいつ。
思わず顔が引きつった。




「有野さん。肩を組むのは禁止でーす」


するとそう言って健は私を引き寄せた

ふわっと香った柔軟剤の香りに
すこしだけ、どきっとした


「何だよー!」

キャプテンはそう言って
笑いながらまた練習に参加して行った

まあ、悪い人ではなさそう。




「じゃ、俺も練習してくっから。」

分かんなかったらまた呼んで。そう言って
私を引き寄せていた手を離して
練習に戻って行った



その手が離れた時
やけに寂しく感じたのは

多分気のせい。





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