でもそれはあまりにも不器用で、


「っていうか、本当にここまででいいから。」


私の家までついてこようとする健。


「だから俺も電車通だって言ったろ?しかも同じ方面」

「でもわたしの最寄駅で降りたらまた電車乗らなきゃじゃん。」

「いんだって。俺が好きでやってんだし!」

「………はあ。」


もう何というか。

ここまでくると、止める気もなくなる。




割と座れるくらい空いている電車。
健はドアのところに立って、ドアすぐの椅子が空いてたから座らせてくれた

マネージャー初日で疲れてるだろって。



ぼーっと窓の方を見ながら電車に揺られていると
前の席からものすごい視線を感じた


そして、


「相澤?」

声をかけてきた人を見て、またかって思ってしまった



ジャージ姿の杉浦。




「え?相澤なんでこんな時間に?」

「そっちこそ。部活?」

「うん。相澤も?」


コクリと頷くと
わたしたちの会話に気づいた健が
私と杉浦を交互に見て言った


「知り合い?」

「あ、うんそう。中学の同級生」


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