でもそれはあまりにも不器用で、




改札を通って、駅を出ると
夜の涼しい風が吹いた

まだ春だから少しだけ、肌寒いけど。




前を歩く杉浦は 私にペースを合わせるように、
ゆっくりと歩く。

多分中学の頃に比べて身長伸びたような気がする、だなんて後ろ姿を眺めながらぼんやりと思った。

また少し大人に近づいて、それを自分は知らなくて。

気のせいだと思うけど、でもなんだか寂しく感じた。






「…何部に入ったの?」



突然そう言って振り返って、私の隣に並んだ杉浦

街灯に照らされて見えた杉浦の表情は、
少し苦しそうに笑っていた。



…なんで、そんな風に笑ってるの?




「…バスケ部のマネージャー、してる。」

「マネージャーかあ。そっか。」




夏の星空が綺麗とか、冬の星空が綺麗とか、言ってる人もいるけど、
いつ見たって星空は変わらずに綺麗だ。

聞いてきたくせに興味なさそうな返事をした杉浦にムッとしながら、星空を見上げた




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