でもそれはあまりにも不器用で、
私、相澤 美和は 今目の前にいる
杉浦のことが 好きだった。
中学卒業を機に、こいつにコテンパンに振られて
すっきりして 新しい恋をしようと思っていた、のに。
結局 土壇場であまりの緊張でお腹を壊し、
手紙で呼び出しといたくせに
自分はその約束の時間に、
指定した中庭へ行けなかった。
違う、行かなかった。
お腹を壊したのは事実だけど。
他の意味で、怖くなって、行きたくなくなって、行かなかった。
最低なことをしたのに。
何でだよって怒ればいいのに。
どうしてそんな優しい笑顔で
私に話しかけてくるの。
…ムカつく。