でもそれはあまりにも不器用で、


私、相澤 美和は 今目の前にいる

杉浦のことが 好きだった。



中学卒業を機に、こいつにコテンパンに振られて
すっきりして 新しい恋をしようと思っていた、のに。




結局 土壇場であまりの緊張でお腹を壊し、
手紙で呼び出しといたくせに
自分はその約束の時間に、
指定した中庭へ行けなかった。

違う、行かなかった。



お腹を壊したのは事実だけど。




他の意味で、怖くなって、行きたくなくなって、行かなかった。






最低なことをしたのに。

何でだよって怒ればいいのに。



どうしてそんな優しい笑顔で
私に話しかけてくるの。






…ムカつく。


< 3 / 32 >

この作品をシェア

pagetop