でもそれはあまりにも不器用で、


__





朝の満員電車

ただでさえ朝って眠いしイライラするのに
このぎゅーぎゅー詰めには本当に嫌気がさす


ドアすぐにあるポールをしっかり掴んで
とにかく人波に流されないようにしていたのに
ツルッと手を離してしまった



アァァァァァ!私のポールがぁぁ!



つい心の中で叫びながら人に流されていった。

何も持つところもないから
とにかく頑張って踏ん張っていたけど
電車って何でこんなに揺れるの!?

グラっと揺れた時に
ヨロけて隣の人にもたれるようになってしまった



「わ、ごめんなさいっ」


どうしよう強面のお兄さんだったら!なんて怯えながら
顔を見ると、もっと恐ろしい人が立っていた





「あ、おはよう。」




朝から爽やかに笑う杉浦だった




< 8 / 32 >

この作品をシェア

pagetop