でもそれはあまりにも不器用で、
思わず顔が歪んだ気がした
だって、強面のお兄さんより、ある意味恐ろしい。
「お、はよう」
素っ気なくそう言うと、私は顔を背けた
だけど体は杉浦の方へ傾いていて
もたれかかってしまっている
悔しいけど、体制を戻せそうにもない…
思い出しちゃうから、
もう関わりたくないんだけどな
チラリと斜め上を見ると
私のせいなのか、すごくキツそうな顔をしている気がする
「…ごめん、大丈夫?」
流石に心配をしないほど私は薄情ではない
「ん?ああ、大丈夫だよ。いつものことだろ」
確かに毎日この電車は満員だけども。
『次はー…』
やっとみんなが主に降りる駅に着いた
ドバーッと人の波がホームへと向かっていった
私も杉浦もこの次で降りるから
流されないように気をつけながら電車に残った