第3者恋
あっという間に外は暗くなってしまった。

私以外のみんなは家に帰った。私は水永先輩と一緒にあと片付けをしていた


「あと片付けなんてよかったのに、春野さん」

「いいんです!隣ですから」

「え、そこ問題?」

「みんなと違ってすぐに帰れるって事です」

「あぁ」


それにしても可愛い部屋だなぁ


あれ、妹さん帰って来なくていいの。
おかしいよね?


でも、聞く勇気もなくあと片付けは終わってしまった。


「お邪魔しました」

「ありがとうね、春野さん」

「いえ」


隣だから片付けが終ってからすぐに、私は家に帰った。


「ただいま……」

「姉ちゃんどうしたの?」

「!何でもないよ」


悟られちゃいけない。まだ幼い子供なんだから…


「あ、華奈帰ってきたならお隣にこれおすそ分けに行ってくれない?」

「お隣ってどっち?」

「水永さんのほうよ」


だよね。分かってたけど…、聞いた私が馬鹿だったよ


そう言われて私はもう1度水永先輩の家に行った。なんだか変な感じだけども


「はい…って、春野さんどうしたの?」

「これ、おすそ分けです…」

「ありがとう」


なんでかな…
今更なのに緊張する

早くここから立ち去らないと

緊張しすぎて迷惑かけちゃう


あれ、なんで……緊張してるの?

そうか―


「水永先輩の妹はどうしたんですか?」

「塾だけど」

「そうなんですね」


そうだよ!これが聞きたかったんだよ!
緊張の原因が分かってスッキリした


「なにそれ、ずるい」

「へっ?」

「なんでもないよ。またね」


私が先輩の気持ちに気づくのはまだ先。

だって、
今しか分からない世の中に生きているから



私達はなんと不幸なのだろうか……


未来にも気づく事が出来ないなんて
< 13 / 160 >

この作品をシェア

pagetop