第3者恋
〖華奈side〗


祈音と佐々原先輩が付き合い始めて“おめでとう”と思った。だけど、昔の事を思い出してしまった


「春野さん顔色悪いけど大丈夫?」

「あ、はい。車酔いしただけなので」

「窓開けとくよ」


あぁ、申し訳ない事してしまった。いつも、いつも水永先輩には甘えてしまう


車酔いは確かにするけど……このくらいの距離なら絶対に車酔いはしない


自分でも分かっている


怖いんだ


あの人の 事が怖くて仕方ない



「着いたぞ。華奈、先上がってろ」

「あ、うん」

「有り難うございます」


あれ?でも私

水永先輩以外の人なら甘えたりしない……?

おかしいな、何でだろう


「春野さん何かあったらすぐに来てくれて構わないからね」

「はい。」

「じゃあ、おやすみ」

「おやすみなさい」


お兄ちゃんにもあんまり甘えないのに。なんでだろう…?


でも、今はそれよりも怖さが勝ってしまった。私は部屋でこっそりと泣いてしまった
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