第3者恋
〖蒼side〗


なんでそんな事を言ったのかは分かっている。俺は春野さんに恐怖を与えたのにそれでも尚、恐怖を与え続けているのが許せなかった


でも、それだけではない。単純にライバル心を持っていたから。春野さんの過去を知らない俺にとってはかなりの強敵だったからだ。


俺ってかなり独占欲強いのかも…

それほど春野さんを好きなんだ

もう、諦められない程に


「あんたは彼氏じゃないなら関係ねーだろ?」

「関係無くないね。いくら彼氏じゃなくてもそれとコレとは話が違う」

「あんたさ…華奈の事、好きなの?」

「は?」


俺は馬鹿なのか。図星を突かれて焦ってしまうなんて……。あの人には言われたくなかったんだと思う


何より春野さんの事を“華奈”と呼んでいたのがムカついた。そして悔しかった


「あのぉ…お取り込み中悪いんだけど…そろそろ春野ちゃん戻って来て欲しいんだけどな〜」

「だってよ。って、華奈?」

「…あ、うん」


春野さん大丈夫かな?結構辛そうだから仕事に集中出来るのかな……


どれだけ悩んでも結果は出てこない

俺は何もしてあげられない

だって部外者だから。


でもね、落ち着かせる事は出来るから俺は春野さんに声をかける


「春野さんの事は俺が守るから……絶対に」

「!有難う、ございます、水永先輩…」


春野さんは絶対に守るから安心して欲しい。あの人には渡したくない


初めてだ。こんな事誰かに思うなんて……それだけ春野さんの 事が好きなんだろうな〜
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