第3者恋
「春野さんって実は男好きらしいよ」

「まじか!んじゃ、今度デートとか誘ったらOKしてくれるかな?」

「さーなー?」


こんな噂が広まったのは型月の浮気が分かってから2週間後。


……華奈が男好き?
そんな訳ないじゃん。


「ねぇ、玲。あの噂は誰が流したと思う?」

「そんなの型月に決まってるでしょ。

…相当悔しそうだったからね」


そうだと予想はしていた。あの状況で他に誰があの噂を流すのか…


あいつに華奈のことを教えなければ……

そうすれば、こんな事には…!


「お、おはよう…。」

「華奈ちゃーん、おはよーう♡」


玲がいるから華奈は多分問題ない。


けど、あの噂は消さなければならない。だって華奈が可哀想だから…



動き続ける時計

止まることを絶対に許さない

進むしかないのならば……!



「玲、私が型月と決着付けてくる」

「は?……、分かったよ。

でも、気をつけてね……」


と言って玲は耳打ちで「今のあいつは危険だから」と言ってきた


そんな事、私が1番分かってる!

だけど、放っとく訳にはいかないから…


「華奈の事宜しくね」

「!……りょーかい!」


玲は“任せろ”と言わんばかりにウィンクしていた。
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