第3者恋

開始から5分経った頃だった。俺が知らない1年の女子に呼び出されたのは…。


｢好きです。付き合って下さい！｣


うん。

シンプルな告白は嫌いじゃないよ

むしろ好きな方だね


正直に言ってしまうと元ヤンの頃なら付き合ってと思う。


だけど、今は好きな人が居る。


｢ごめんね…！｣

｢っ……。あのっ、これからも応援していいですか？｣

｢それは構わないよ｣


昔の俺ならイチコロだね。

結構タイプ


つーか、これって告られる方も結構公開処刑だよね…。

辛いんだけどな〜


｢水永ーっ。お前なんで振るんだよ！あーんなに可愛かったし、お前好みなのに…｣

｢あはは。Yesって言ったら公開処刑だし｣

｢確かに斬新だよなー｣


と言っているのはサッカー部の友人。こいつは俺に好きな人が居る事を知らない。


ま、だからこんな事言うんだけど

公開処刑だから、あれは……。


好きな人のカード2枚目が出て、今度は男子が誰かに告白していた。そしてその相手は、春野さんであったのだ。


……。


情けないな俺って

春野さんがモテるのは今に始まった事じゃないのに

でも3年に告られるって凄すぎ


そんな事を思っていたら、春野さんとばっちり目が合った。


｢！…。｣

｢春野さんも振ったんだね｣

｢水永先輩もなんですね…。借り物競争って辛いです。多分、全員振る事になると思いますけどね｣

｢え？｣