第3者恋
「おーい、今日から早めに自主練終わりにするらしいぞー、蒼」

「ん、了解!」


もう、そんな時期なんだ…。


秋も終わの方にさしかかり、もうすぐ冬がやって来る。


俺が帰ろうと校門に向かったら、そこにはゆーが居た。


「お、蒼じゃん。今帰り?」

「おう…。ゆーもだろ」

「まーなっ」


何故だ。

今日あんなに怒っていたのに、
普通に接してくるのは…。


山崎さんが言った…、とか?


いやいやあんな大事な事はいくら山崎さんでも言わないでしょ。いくらって、ちょっと酷いけど…。


「今日の事なら気にしなくていいぞ、蒼くん」


ニヤニヤしながらゆーは話始めた。


「ま、なんとなーく察したからね。誕生日は楽しみに待ってるよ。…、あん時はガチでムカついたけど、蒼には春野ちゃんと言う大切な人がいるからねっ!」


「…、ほんっとにお前って腹黒いよな…。逆に山崎さんが可哀想になってくる…。」

「ほら、祈音って顔に出やすいから!」


それは否定しない。


春野さんや神坂さんに比べたら…、ってか他のよりかは顔に出やすい。


興味が無い…と、言ったら失礼だけど。恋愛感情のない俺でも分かるんだから。


「蒼が友達で良かったよ。」

「さよですか」

「いつでも相談に乗るからね、待ってるよ」


“早く付き合え”と言わんばかりにウィンクをしていた。


ゆーには色々と敵わない気がする。

ムカつくけど…。
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