第3者恋
「じゃ、春野さん風邪ひかないでね」

「はい!」


私は思わず水永先輩の顔を盗み見てしまった…。

先輩の横顔はとても綺麗で、だけれども何かを訴えているようだった。


「どうかした?」

「い、いえ…。お休みなさい」

「あ、うん……。」


パタンと玄関の扉を閉めた。


どうしても水永先輩のあの裏がありそうな横顔が気になって気になって仕方ない。


「華奈…って、早くタオルで拭きなよ!」

「お兄ちゃん…。ありがとう」

「雨降ってきたんだ〜。天翔の奴、ちゃんと傘持って行ってたっかー…。」


私はお兄ちゃんにされるがままタオルで頭を拭かれた。


制服もびっちょりだし…。

どうしよっかなー


水永先輩のあの顔の事は気になるけど今は風邪ひかないようにしなきゃ。


「ただいま」

「天翔は…、お前も傘持って行って無かったのか。」

「急だったからね」


私が部屋に入るのと同時に天翔は帰って来たようだ。お兄ちゃんと天翔のそんな話し声が聞こえたから。


雨が降らなかったら私達はどうなってたんだろう…?


誰かに茶化されてた?

それはやだな〜


深く考えないようにしよう!
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