届け 〜手紙に乗せた思い〜
「では、営業部の方に向かいます、みんなの前で挨拶するので、言葉今のうちに考えておいてください」
「はい」
久我さんは、優しくて、爽やかな人でいかにもモテそうな人だった。
顔もイケメンで、女の子がキャーキャー言うのは間違いないだろう。
エレベーターに乗り、上の階へと行く。
長い廊下を抜け、オフィスへと入る。
コンコン
「部長、連れてきました」
「そうか入れ」
低い声…、怖い人かな?
ガチャ…
「初めまして、工藤 雪です、よろしくお願いします」
「工藤?」
スッと顔を上げると、昔より大人ぽっくて少し老けた見覚えのある顔がそこに居た。
彼は顔にシワを寄せ、何かを思い出そうとしている。
私の事、忘れるほどに嫌いになったんだ…。