届け 〜手紙に乗せた思い〜
「玲くんこんな所にいたの?」
「優子…お前工藤 雪が俺の過去に会った奴か知っているか?」
どうしても知りたくて、ダメ元で優子に問いかけた。
「知らないわよ、あの子田舎から来たのよ?」
「だよな…」
優子に聞かされた、俺は幼い頃両親の転勤でここに来て育ったこと。
高校になり両親は死に親戚での家に引き取られたが酷い目にあい記憶をなくしたことを。
それすら覚えていないのだ。
俺は優子と一緒にオフィスに戻った。
「ごめんね…玲くん、私はずるい女だから、貴方を誰にも渡したくないから、だからこれ以上何も聞かないで」
優子の企みに気づかずに俺の記憶は解きほどかれていった。