届け 〜手紙に乗せた思い〜
「すまないがね、君には東京へ行ってもらうことになったから」
私の故郷から少し離れた所に住み始め3年。
小さいビルで働き、夏はクーラーがないけれど働きがいのある仕事で辞めることもなかった。
正しく中年男性の部長に呼び出され、いきなりで出来た転勤の話。
「東京ですか?私は無理ですよ」
田舎のなまりも消え、ここで落ち着きと決めた。
都会は嫌いだし…。
「なぁに、君はもっと仕事ができるさ、是非行ってほしい」
「すいませんが、少し考えてもいいですか?」
「好きなようにしなさい」
優しい部長は少し時間をくれた。