届け 〜手紙に乗せた思い〜
黒く渦巻く感情〜玲二サイド〜

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚

何故か心は黒い感情が渦巻いている。


「雅人さん」


違う…その名前じゃない…。


「部長?」


部長でもない…。

『玲くん!』

何故?誰の声もわからない声が頭の中でこだまする。


懐かしい声、誰のかもわからない。

けれど愛おしくて、居心地が良くて、頭の中で声が響く度に幸せと感じてその幸せに浸立っていた。


思い出せない記憶を、思い出そうと、記憶の糸をたどって……。


そして…。

「雅人さん」

遮られる、違う男の名前…不快だ。

頼むから…その名前で呼ばないでくれ。

『玲くん!』


そうだ、それだ!

もう二度と離さない…。

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚

< 63 / 81 >

この作品をシェア

pagetop