届け 〜手紙に乗せた思い〜
プルル…
「もしもし?お母さん?」
「あら、雪どうしたの?」
優しい声が私の耳に届く。
「お母さん、私転勤することになったの東京に」
「良かったやないの!早く孫の顔が見たいかったんよ?」
「うん…また、連絡するけんね」
お母さんは決して電話したことに触れてこない、それはきっと私のことをわかってるから。
今日も、1DKの部屋で朝のおかずの残りを咀嚼する。
都会、東京を聞けばあの人を思い出してしまう。
どんなところなのかな?
騒がしいんだろうか?
ただひたすら不安が積もって行った。