届け 〜手紙に乗せた思い〜


チラホラと男女が腕を組み歩いている。

駅の前だけあって人が沢山いる。

嫌になりながらも足を進め、私を待つ人を見つけ見つめる。


胃がキリキリする、そのうち本当に胃に穴が空いてしまいそうだ。


「雅人さん…待ちました?」


作った笑を浮かべて笑う。

「全然!行こっか」

行く場所は、水族館。

田舎暮らしで行ったことが無い。

けれど全然楽しみじゃなくて、逆に気が重い。

電車に乗りこみ何も喋ることなくただ流れていく外の景色を見つめた。
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