届け 〜手紙に乗せた思い〜
「そうかな?きっとあの二人は何かある。秘密を持っているよ。それにここで君に終わって欲しくないんだ」
「え?」
「君が本気で笑えるのは悔しいけど部長の前なんだよ。辛い顔より幸せって顔をしてる顔の方がいいに決まってるだろう?」
彼はニッコリと笑って、悲しい顔をした。
「僕が君に酷いことをしてしまったから。幸せになって欲しい。僕も協力するよ、好きな人の幸せの為に…」
なんて世界は醜いんだろう。
嘘は嘘ばっかりで、私のこのワガママで幼稚な恋が目の前の人を不幸にする。
水族館で言った、あの言葉が引っかかる。
「ごめんなさい…それと、ありがとう」
部長は私なんか忘れてる、私も忘れればいいのに。
部長は他の女の人がいるのに。
私は馬鹿な女だ。