届け 〜手紙に乗せた思い〜

「私の何を知ってるの!?なんで好きな人を奪おうとも思わないの!?」


「ちょっ…落ち着いてよ。良かったよここが使われない階段で」


今はワックスが塗られていて滑るからあまりとうらないように言われている。


普段エレベーターを使うから関係の無いことだけれど。


「なんで…私が間違ったとでも言いたいの?」

「部長と雪ちゃん二人は赤い糸で結ばれてる見たいだろ?部長はひたすら目で追っていて、雪ちゃんはひたすら部長を思ってる。雪ちゃんが僕を好きになるわけないんだ」


なんでそんなに嬉しそうに笑うの?

なんで?なんで悲しくならないの?


「なんで…そんなに嬉しそうなの?」

恐る恐る聞くとニッコリ笑って嬉しそうに言った。

「好きな人の笑顔が戻って、スッキリした顔だったから。ねぇ…君は部長に何をしたの?」

私はハッとした。

この人は勘づいている。

私は目を泳がせ、下を向いて手をギュッと握り締めた。
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