届け 〜手紙に乗せた思い〜
時期は冬、手袋とマフラーは必需品。
体を丸めてボーと歩く。
都会…テレビで見ることはあるけれど、野菜も光熱費も高いらしいし、今よりもっと節約が必要だ。
仕事場に行けば一番乗りで、外と温度はあまり変わらなかった。
急ぐことなくなれた手つきでヒーターを起動させる。
しばらくするとボッーと音を立てながら暖かい空気をはく。
ホコリの匂いと灯油の、匂いが部屋の中に充満した。
あと少しで都会に行く。
準備は着々と進んでいった。