届け 〜手紙に乗せた思い〜

時期は冬、手袋とマフラーは必需品。

体を丸めてボーと歩く。

都会…テレビで見ることはあるけれど、野菜も光熱費も高いらしいし、今よりもっと節約が必要だ。



仕事場に行けば一番乗りで、外と温度はあまり変わらなかった。


急ぐことなくなれた手つきでヒーターを起動させる。


しばらくするとボッーと音を立てながら暖かい空気をはく。


ホコリの匂いと灯油の、匂いが部屋の中に充満した。


あと少しで都会に行く。

準備は着々と進んでいった。
< 9 / 81 >

この作品をシェア

pagetop