恋時雨
そして今あたしを呼んだのは、中学からの親友、河野美奈だ。
「美奈!」
あたしも遠くの美奈に向かって大声で叫んだ。
美奈はどんどん近づいてくる。
「ひか見て!うちらまた同じクラスだよ」
あたしは部活はやってないし、何となく始めたバイトは1ヶ月でやめた。
だから休みの日は遅くまで起きていて、次の日起きるのはほぼお昼だ。
そのため1日でも休みが入ると、次の日は眠くて仕方がない。
今日も眠くて眠くて、先生の話なんか全く聞いていなかった。
ただ目を開けていることに一生懸命だった。
もちろんプリントなんて今初めて目にする。
「うそっ。やった」
「本当だよ。超嬉しい。教室行こ」
「うん!あ、昨日見た~?」
あたし達は昨日のドラマの話をしながら教室へ向かった。