future
テラスから外を見ると、その景色は覚えのあるものがたくさんあった。
おそらく、今住んでいる場所は実家と近い位置にあるのだろう。
「...外、出てみようかな」
テレビの電源を消して、パジャマから着替えて外へ出る準備をした。
「鍵と財布は......あった、よし!」
会社を休んでおいて出かけるのもあれだけど...体調は悪くない。
それにたとえ知っている場所でも、今の周りのことを知っておきたい。
――まだまだ、不安だから。
「それにしても......」
玄関前の全身鏡に映る自分を見る。
.......自然と目にいくのは胸
「...あんま変わんない」
まじまじと鏡を見ると、髪型も背丈も体型もあまり変わりはない。
昔から気になっている頭のてっぺんのハネも相変わらず健在である。
「月丘くんはあんなに大人っぽくなってたのにな...」
少しだけ乱れた前髪を整えて、私は外へ出た。