future
しかし今は一体何年なんだろう...?
というか本当にここは未来なのかな?
みんなで私を騙してる...とか.....?
「ドッキリでしたってオチ...ないの...?」
寝室から出て、リビングらしきところに出て、思ったことは、"広い"だった。
「う、わあ.......」
なんだこれ...本当に私はこんなところで生活を...?
ぴっとテレビの電源をつけると、まあ相変わらず普通のニュースが流れていた。
「なんか.....未来ってもっと凄いことになってると思ってたけど...」
――――普通、だなぁ。
そうホッとしてる自分がいた。
「...とりあえず、戻る手掛かりを見つけないと」
そうして、部屋中から卒業アルバムやら日記帳を探し出し、そして自分のスマホもチェックした。
「日記は、普通.....だな。ただ月丘くんのことばかり書いてる.....」
スマホのアルバムには、知らない女の人..おそらく友達とのツーショットや、月丘くんとの写真、...その他にも私には覚えのないものばかりだった。
「.....よく見たら、今日は6月24日...そして2023年、ということは私や月丘くんは23歳...?」
高校の卒業アルバムをぱら、と捲るとあの日より少し大人びたみんなが載っていた。
「...3年になったら、こうなるのか...」
アルバムのフリースペースの中には、私と月丘くんが手を繋いで笑っている写真があった。
そんな写真の中の私は、泣いたのか目が赤く腫れていた。
「...、やっぱり、私と月丘くんは付き合っている...?」
ここに来てまだ数時間だが、"付き合っている"ならば同居しているのも、こんなに仲がいいことも納得がいく。
「.......はぁ」
重たい腰をあげて、テラスにでて私は思いっきり息を吸いこんで、吐いた。