Seven days【短篇】
Seven days
自分で言うのもなんだが俺はいたって普通の健全な高校生である。
偏差値も中間ほどの公立高校へ通い。成績も中間。
見た目も程々。それなりにちょっと可愛い彼女もいて、仲の良い友人もそれなりに。
部活はやっていないけどそんなの別に珍しいことでもない。
只単にやりたい部活がなかっただけ。
普通のサラリーマンの父親と、パート勤めの母親。
大学生の姉が一人。
家は、ときどき口うるさい女性陣がたまにおっくうに感じることあれど、そこそこ居心地はいい。
「うあ~……いつものごとくだけど……なんで月曜ってこんなにだるいかね?」
鏡に映るボサボサの髪を、水で撫で付け軽く手櫛で整えながらぼやく。
いつもの月曜日。誰だって月曜日はこんなもんだろ?
いつものように、台所を通り過がりに焼けたばかりのトーストを一枚失敬。
「大吾! 食べながら歩かないって何回言えば…!!」
「だって時間ないんだって。いってきますっ」
母親が毎朝繰り返す台詞をいつものように途中で遮り慌しく家を飛び出すと、学校へ向かう方角……少し先に見慣れた背中。
「和也~」
同じ高校へ通う幼馴染の名を呼ぶと
「大吾また寝坊か?」
振り返りもせずに、俺であると当然のごとく決め付けた台詞とともに和也は足だけを止める。
「だってきつくない? 休み明けってさ~」
言いながら追いつくと、やれやれと苦笑を浮かべた和也と並んでそろって歩き出す。
いつもとかわらぬ朝。いつもと同じく学校へ向かう。