Seven days【短篇】
決められた、一週間の時間割。行事ごとが無い限りそれは正確に毎日曜日ごとに決められたとおり毎週繰り返される。
今月は特になにも行事はなく、当然のように決められた時間割どおりに授業は進み、終了。
帰りは部活をやってる和也とは別行動だ。
時々は他の帰宅部仲間とゲームセンターへ寄り道したりもするが、今月はもう小遣いが残り少ないので誘いを断る。
「なんだなんだ、今日は留美ちゃんとデートか?」
ひやかす友人たちに
「んにゃ、留美は今日は塾。まっすぐ帰る」
そう言って手をふって校門で別れて家路につく。
こんなことも珍しいことではない。よくある日常のうちのひとつのパターン。
このまま帰宅して、予定がない時はいつもそうしてるように家でゴロゴロとしながら携帯ゲームでもやるつもりだったのだが……
その日、いつもの帰り道の途中。
ふだんはないはずのものを路上に見つけてしまった。
「うわ~……ひでえ、大丈夫かおまえ?」
車に轢かれたのか、後ろ足を血まみれにした黒猫が道路の真中に横たわっている。
俺の声に一声。「みゃあ」と、か細い鳴き声を上げる猫の潤んだ目ともろに目が合ってしまった。
小言をいう母親の顔が一瞬頭をよぎったが、こう露骨にみつけてしまった以上怪我した小動物をほおっておくのは気まずいものだ。
そっと抱き上げ連れ帰る。
大丈夫。なんだかんだいって怪我した動物を連れ帰るたび、怪我が治るまでは家に置くを母親が許してくれるのもいつものことだ。