Seven days【短篇】
翌朝目をさまして、机の横にダンボールで作ってやった簡易ベッドを覗き込む。敷かれたタオルに丸まってた子猫が気配に気付いて顔をあげ、みゃあ、と一声。
台所からミルクを取ってきて皿にいれて横に置いてやり
「学校いってくるからいい子にしてろよクロ」
全身真っ黒な毛並みにちなんで名前はクロに決定。頭をなでてやると、目を細めて手に頬を擦り付けた。元気はよさそうだ。
猫が部屋にいるのはいつもの火曜日とは少し違う風景。だけど日常はかわらない。
カバンを手に階下へ降りて学校へむかう。
「大吾、昨日どこいってたの?」
いつもどおり和也に追いついた途端、和也に聞かれて俺は首を傾げた。
「昨日?」
「うん。部活帰りに見たよ。どっかに出かけてたでしょ?」
和也はいつも七時くらいまでは部活をしている。昨日はクロの手当てしてて外出はしてない。
「んにゃ、ずっと家にいたよ?」
「あれ? 見間違いだったかな? 学校出てすぐのとこで見たんだ。声かけようとしたけどどんどんいっちゃったから……大吾だと思ったんだけどなあ」
互いに首を傾げる。まあ、暗い時間帯だし顔なんてよくみえやしないから人違いだったんだろうと互いに軽く流してそのまま学校へ向かう。
クロの包帯替えてやらなくちゃ。今日も真っ直ぐ帰宅しよう。そんなことを考えて一日を過ごす。
昼休みに留美から、帰りにマックに行かないかと誘いのメールが来たけど、理由を書いて断りのメールをいれた。