Seven days【短篇】
「なあなあ、昨日一人でゲーセンいたろ?」
翌日学校で、帰宅部仲間のひとりに言われ。さすがの俺もちょっと変だと思いだした。
「んにゃ、昨日は留美と家で……」
「え~? あれ、絶対大吾だったと思ったんだけどなあ~」
人間違い?それってこんなに続くものだろうか?昨日留美と一緒に居た時間帯に友人は俺らしき人物を行きつけのゲーセンで見かけたらしい。声をかけようと店にはいったら遊んでた台からいなくなってて見失ったとか……。
これで三日連続。全部俺自身身に覚えはない。
どういうことだろう?
「そういや、大吾なんか顔色悪くね? 具合悪い?」
心配する友人に「大丈夫」と笑ってみせて。そういや、なんだかちょっと疲れてる気もすると、その日も真っ直ぐ帰る。
――が、途中。
近所の顔見知りのおばさんとすれ違い、頭をさげて挨拶しようとすると、おばさんがきょとんとした顔をして言った。
「あれ? 大吾ちゃんさっき帰ってなかった?」
さすがに、ちょっと薄気味悪くなってきた。なんだか嫌な感じ。
そう思った瞬間背筋を寒気が襲ってきて、帰ると同時にベッドに潜り込む。
心配そうにクロが、布団からはみ出た俺の手を小さな舌でペロペロとなめてくれた。
「ごめんな、ちょっとだけ休ませてくれな。すぐ良くなるから……」
みゃあ、と一声鳴いて。ぴたりと寄り添うように俺の横で丸くなる。そこから伝わるクロの体温がやけに俺をほっとさせて。
まだ、木曜日。明日までは学校がある……明日までは頑張らないと。
そんなことを考えながら気が付くと眠りに落ちていた。