Seven days【短篇】
おとなしくしていたのが良かったのか。土曜日は何事もなく過ぎた。
いつのまにか随分怪我が良くなったらしいクロは元気に部屋の中を走り回っている。包帯を解いてやると傷口はすっかりめだたなくなっていて「もう大丈夫だな」と頭を撫でてやると、嬉しそうにみゃあと鳴いた。
姉はサークルの合宿に出かけ、両親は結婚記念日だとかで温泉へ一泊旅行へ。
たまたまイベントが重なって一人になってはしまったが、コレくらいなら普段の日常でもありえる週末だ。
ようやく落ち着いてほっとして、クロを膝にのせてゲームをしながら寝落ち。
だいたい週末はこんなもんだ。ぐーたらと夜更かしして、日曜日は昼まで眠る。
いつものように昼過ぎに目をさましてだらだらとTVを見ながら横になっていると、玄関がベルがなった。
「はいは~い」
食べかけのポテトチップスをテーブルに置いて、玄関へ向かう。宅配便か何かだろうか。
なんの疑いもなくドアを開ける。
ドアを開ける途中で、その隙間から見覚えのある服が見えた。
「……え?」
学校の制服。日曜日だというのに……いつも着ている見慣れた制服に頭を傾げながら視線を上げる。
制服の上にある顔まで視線がたどりついた俺は、息を呑んで、目を見開いた。
「な……」
出かかった声を、それ以上だすことも出来ず凍りつく。
ドアの向こう。そこにいたのは……
制服姿の、俺だった。