狂おしいほど愛おしい
「えっと・・・あみさん・・・でいいですか?」



「うん。愛する海って書いて愛海。貴方の名前は?」



「細川 悠大です。悠大って呼んでください。」




「ゆうだい・・・!?」



ゆうだいという名前に敏感に反応してしまった。



「どうかしたんですか?」


どうしたもこうしたも、またアイツのことを思い出してしまった。



「私の知り合いにも雄大って居るから吃驚したの。てかタメでいいよ」



「あ、うん。呼ぶのが嫌だったら細川でいいよ?」




私の表情でどんなヤツか分かったのか、少し遠慮がちに悠大は言う。



「ううん。悠大って呼ぶ。呼ばせて」




悠大は優しい笑顔を浮かばせ、話題を変えた。


「ねぇ、愛海ってどこの高校?」


「旭ヶ丘高校だよ。悠大はどこなの?」



「まじで!!!?俺、前まで広瀬高校だったけど引っ越して明日から旭校・・・」



「うっそ!!?すごい偶然だね!」


本当に吃驚した。雄大と同じ名前って聞いたときは嫌な吃驚だったけど今は嬉しい吃驚だ。



「・・・はっー・・・なんかほっとした。友達できるか不安だったけど愛海が第一号の友達だな!」


すごい笑顔で言ってくれる。なんか可愛い。



「私も明日が楽しみ!おんなじクラスだったらいいねぇ。」


「うん!俺も楽しみ!・・・とやべぇ!明日の準備してないんだった!」




そこから悠大と別れて、家に帰った。




明日から学校が楽しみになるなぁ・・・








―私の頭の中は、いつの間にか今日出会った【ゆうだい】でいっぱいになっていた―







そのまま深い深い眠りに落ちた・・・
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