狂おしいほど愛おしい
「はー・・・昨日はよく眠れたなぁー!!」



伸びをしながらあくび混じりにのん気に言った。



「朝からぼけた顔をするな。昨日のプリント、持ってきたか?」



「・・・ぼけてないし!!プリントならちゃんと持ってきましたー!!!」
「ならさっさと出せ」




間髪入れずに雄大は冷たい目で言う。




「・・・あれ、ないなぁ・・・ちょ、ちょっと待って!ちゃんと持ってきてるから!!」




冷たい視線を浴びながら必死に探す。



「どうした。ないのか?」



「・・・確かに入れたと思ってたけど・・・その・・・違うプリント入れてたみたい・・・」





そう言いながら愛海は間違えて入れたプリントをひらひらと振って見せた。





「今日持ってこなかったら取りに帰るって言ったよな・・・?」



「ええ~!!?でも家、すっごい遠いんだよ!?電車で通ってるんだよ!!?」



そういうと、雄大はため息をついて言った。




「分かった。なら放課後、俺の係りの仕事、手伝ってもらうぞ」




面倒くさかったが取りに帰るよりマシかと思い、了解した。





ふうっと一息ついたところでHRのチャイムが鳴った。



今日は悠大が来る日だ!!!



急に思い出し、少しドキドキしていた。






同じクラスかなあ・・・!






ガラッ


扉が開く音がし、自然と背筋が伸びて姿勢がよくなる。



「えー急だが、転校生だ。細川悠大君という名前だ。仲良くしろよ」




担任の低い声の横には、悠大が緊張した雰囲気で立っていた。





同じクラスだった!!!




自然と笑顔になる。
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