狂おしいほど愛おしい
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・



屋上までの道のりはいつもの倍に思えた。




バンッ



「はあ・・・はあ・・・・・・いい天気だな!」


「もうっ・・・急に・・走るか・・・ら・・・疲れちゃった・じゃない!!」


「ごめんごめん!まあ座ろうぜ」




愛海と悠大は正面に屋上への扉がくる位置に座った。




大きな風が、背中にあたる。



「愛海はよくここ来てんの?」


「うーん・・・たまに友達とお昼とかにくるよー」


「そっか・・・」




悠大の横顔は、なんだか凄くすがすがしかった。


愛海が見とれていたら悠大と目が合ってしまった。




「なあ・・・愛海?俺な・・・」



「ん?なに?」



「俺な、愛海のこと、好きみたい」







風が、吹く。







「え?ちょっと意味分かんないよ・・・!なに?急に・・・からかってんの!?」




「からかってなんかないよ。ねぇ、答え聞かせて・・・?」




悠大はすっと愛海の肩に手を置いた。




「そんなこと・・・言われたって・・・」






―――愛海の心は不安でいっぱいになった。―――
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