私の最後の愛
「ん、」
「あの葵って女。本州で桐生の次に勢力がでけぇ国分って組の会長の娘だ。名字を隠していたから桐生の情報を探りに来たんだろう。」
「ん、」
「桐生と国分はお互いに勢力が強すぎるから不可侵協定ってのを結んでる。だが今回の事で桐生の傘下や同盟が憤ってるだろう。最悪抗争になる。」
「それじゃあ私は囮だったって事!?国分を出す為に!」
「ちげぇ。菊も国分がこんな所にいるとは思ってなかったらしい。しかも娘がいた事も国分は公開してなかった。」
「ん。」
「希。」
「ん?」
「これは龍虎の失態だ。すまない。」
「ん。」
「泣いたらいい。」
「っ、んっ、」
そう言われると今まで我慢していた分の涙が溢れてくる。